トランプゲーム「ベリシネベリシ」

昨日のKBG夜部(ボンクラどもがバーで酒飲みながらゲームする部活動)でJ・草場さんに教えてもらった、ロシアに伝わるトランプゲームでーす。簡単なルールだけどやってみると妙な面白さがあるので、もし手元にトランプがあったらそこらの人つかまえてやってみるといいネ。

  1. トランプ52枚(ジョーカーなどは使いません)から1枚だけ抜き取って誰も見ないようにしてかくしておきます。
  2. 残りの51枚をよくシャッフルして、全員に配りきって、それぞれの手札にします。人数でちょうど割り切れない場合は枚数に差が出ますが気にしなくていいです。もしこの時点でだれかの手札に同じ数字のカードが4枚そろっていたら(めったにないけど)、そのカードはいきなり公開しちゃって4枚とも捨て札にします。その人は手札が減ってラッキー!ってことで。まあ、最初なんで、配り直しにしてもいいけどネ。
  3. 最初の番の人は手札の中から好きなカードを1〜3枚選んで、そのカードの数字を宣言して、裏返しにして場に出します。「3!」とか「10!」とか。建前上は、同時に出したカードはすべて宣言した数字と同じですよ、ということになっていますが、ウソをついてもかまいません。(ただしすでに捨て札になったカードと同じ数字は宣言できません。←100%ウソだとバレバレだから)
  4. 次の番の人は以下の2つのうち、どちらかを行います。
    • (1)自分の手札から同様に1〜3枚のカードを選び、前の人が言ったのと同じ数字を宣言して場に出す。
    • (2)直前の人が出したカードがウソである、という告発をする。告発した場合、直前の人が出したカードをめくって確かめます。
      • 全部のカードが宣言したとおりの数字だった(ウソではなかった)→告発した人がこれまでに場に出ているカードをすべて引き取る。
      • 宣言した数字と違うカードが1枚でも混じっている(ウソだった)→そのカードを出した人が、これまでに場に出ているカードをすべて引き取る。
    • 引き取ったカードは手札に加えます。その際に4枚そろった数字があったら、そのカードは公開して、捨て札にします。
    • 告発があった場合は、告発した人の次の番の人が好きな数字を宣言して1〜3枚のカードを出し、再スタートします。
  5. これを続けて自分の手札を最初になくすことができたら上がり。ゲームから抜けます。これを最後の1人になるまで続けます。

「ウソを見破る」よりも「誰かが上がるのを阻止する」ところに注目するのがポイント。だいたい、あからさまなウソだとわかっていてもあえてスルーして、場にどんどんカードをためていって、取らせたい(=手札の枚数が少なくなってる)人のところまできたら告発するというパターンになります。そのために本来は4枚しかないはずの同じ数字のカードが5枚、6枚、7枚……とたまっていくのが愉快です。ひどいときは何周もしたりする。どいつもこいつもタヌキに見えてくる……! 草場さんいわく、ウソは早めについておくのがコツだとか。たしかに! 本物のカードは再び順番が回ってきて告発されそうなときのためにとっておく、とかね。「いかにウソを混ぜるか」というより「いかに真実を混ぜるか」と考えた方がしっくりくるかも。
告発の対象である直前の人の動向に注目するのはもちろんですが、告発をすると次の番の人が新たな数字でカードを出せて有利になってしまうので、こちらも気にかけておかなくてはならないのが実はけっこう悩ましい。わたしはそういうのに気を回すのが苦手で両隣の連中がさっさと上がっていった……ギギギギ。
最後の2人になると相手の持っているカードがだいたいわかるけども、最初に隠された1枚が効いてくるので、知恵くらべ感が増しておもろいです。
シンプルなルールだけど考えどころはたくさんあって、実によくできているのでした。
この手のゲームは実際にやってみて「そういうことか!」と悩ましさや面白さがわかってくるものなので、ルール読んでよくわからんくてもだまされたと思ってやってみるよろし。単純に勝ち負けよりも、そうやってだんだんいろんなことがわかってくるのが楽しいんだよねー。わかってくるうちに、2回、3回とやりたくなること間違いなしよ。
適正人数はよくわからないけど3人ぐらいいれば遊べそう。2人からでもいけるかな。われわれは6人でやりました。
(少ない人数でやるときは、ゲームが長くなりすぎるのを避けるため、あらかじめ何組かの数字を取り除いたトランプを使うとよいそうです)